「ワークライフバランス」をアップデート!仕事と人生が調和する「ワークライフハーモニー」の時代へ
「ワークライフバランス」は誰のための指針か?
突然ですが、皆さんがこれまでに「ワークライフバランス」という言葉を使ったシーンを思い出してください。
ワ―キングマザーが集まった場では、ワークライフバランスについての話がよく出るわ!
最近の女性活躍推進の会議中で、ワークライフバランスについて検討会があったな。
よく思い返してみると「ワークライフバランス」とは、働く女性、それも育児中の女性(ワ―ママ)の周辺でよく飛び交うキーワードになっている気がしませんか?
私の経験側ではありますが、女性社員の多い企業研修では「ワークライフバランス」関連のセミナーがすんなりと成り立ちます。
しかし、男性管理職向けの研修で「ワークライフバランス」がコンテンツに必要とされることは、ほぼありません。
そのような内容は必要ではないという暗黙の了解があります。
今の時代に広く周知されている「ワークライフバランス」とは、無意識のうちに「子育てをしながら働く女性のための指針」となっているように感じます。
しかし、これからの時代は育児中の共働きカップルや、家族の介護をしながら仕事に従事する人が増えることが見込まれます。
そろそろ、働く女性の周辺に漂う「ワークライフバランス」という指針をアップデートする必要がありそうです。
男女関わらず、仕事と人生の調和・循環を意識した「ワークライフハーモニー」という新しい指針に転換する時期かもしれません。
「ワークライフハーモニー」を推すのは、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス
「ワークライフハーモニー」は、まだまだ聞きなれないキーワードです。
私がこの言葉を最初に目にしたのは、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスが株主に送った手紙の中でした。
『ワークライフハーモニー』ジェフ・ベゾス
『Invent&Wander』ジェフ・ベゾスより引用
私はアマゾンでトップに立つ経営層向けに、リーダーシップの授業を行っている。
インター ンにも話をする。
誰と話してもしょっちゅう質問されるのが、ワークライフバランスについてだ。
「ワークライフバランス」という言葉はあまり好きではない。
少し違和感を覚えるのだ。
「ワークライフハーモニー」のほうがいい。
職場で元気になれて、仕事が楽しく、 自分がチームの 一員として役に立っていると感じられたら、 家でもいい人間になれるはずだ。
夫としても父親 としても、もっとよくなれる。
家が楽しければ、社員としても上司としても、よくなれる。
長い時間、激務続きでヘトヘトになることもあるかもしれない。
だが、問題は長時間、仕事に縛りつけられることではない。
たいていは活力の問題だ。
仕事で活力が奪われているだろう か? それとも仕事で活力が湧いてくるだろうか?
(中略)
ワークとライフはバランスを取るものではなく、ぐるぐると環のように巡るもの、つまり循環だ。
ワークライフバランスという言葉は、ワークとライフがそもそも両立しにくいような印 象を与えるので、とても危険だ。
(中略)
問題は労働時間ではない。
もちろん、どんなに長く働いてもいいとは思わないが、たとえば 私は週100時間浮かされたように働いても問題はない。
それは家庭からも仕事からも元気を もらっているからだ。
インターンにも、重役たちにも、ワークライフハーモニーを勧めている。
ここで、ジェフ・ベゾスが表現した「ワークライフハーモニー」のイメージがとても印象的です。
「ワークとライフはバランスを取るものではなく、ぐるぐると環のように巡るもの、つまり循環だ」
仕事で培ったスキルは自分の長い人生を良くするためのスキルにもなるでしょう。
子育てや介護・家事・学校のPTA・自治会・趣味のサークル活動などの経験が、仕事に活きることはたくさんあるはずです。
仕事と人生の関係を「バランスをとるもの」から「調和し循環するもの」へと意識を変換することで、新しい時代の就業感へとリフレームされるではないでしょうか。
『仕事とは人生の中の大切なパートのひとつ』
このような価値観が、これからの時代にはマッチするのではないかと考えます。