部下からのパワハラに気づけていますか?マネージャーが抱える声に出せないハラスメントの実態

「パワハラ」と聞くと、上司から部下への圧力や暴言を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし最近は、立場が上であるはずのマネージャーが、部下からの言動に悩み、声を上げられずに苦しんでいるケースが増えています。

今回は、そのような「逆パワハラ」ともいえる現象について、具体例を交えて考えてみたいと思います。

これもパワハラ?あるマネージャーの体験

「○○さんにはもう何も言いたくありません。何を言っても不機嫌になって、露骨にため息をつかれるんです…」

そう話してくれたのは、ある企業でチームリーダーを務めるAさん。

周囲からは、真面目で、部下思いのマネージャーだと評判があります。


問題の部下は、入社5年目の若手社員。

ある時期からAさんの指示を無視したり、他のメンバーの前で「それって意味あるんですか?」と強い口調で反論したりするようになりました。

Aさんが困って上司に相談しても、「あなたのマネジメントの問題では?」と軽く流されるだけ。

実は、こうした“部下による無視や攻撃的な言動”も、継続的であればパワハラに該当する可能性があります。

しかし、「自分が弱音を吐くなんて」とAさんは誰にも言えず、日々消耗していました。

上司であるあなたが「なぜか委縮してしまう」理由

Aさんはもともと、チームメンバーの意見を大切にするタイプのリーダーです。

時には自分の考えを曲げてでも、部下の意見を尊重してきました。

けれど、問題の部下には「何を言っても反発される」と感じ、次第に指示やフィードバックを避けるようになっていったのです。

このように、部下からの攻撃的な言動を受けても、上司は「自分が悪いのでは」「下手に言えばパワハラと思われるかも」と、身動きがとれなくなってしまうことがあります。

ハラスメントへの意識が高まる中で、“上司=加害者になりやすい”という構図に敏感になりすぎている面もあるでしょう。

さらに、組織内で「部下からのパワハラ」という概念が浸透していないと、相談しても共感や支援が得られず、「結局、自分で何とかするしかない」と孤立感が深まります。

本来、マネージャーはメンバーを守る立場ですが、それは同時に“自分自身も守られるべき存在”であるはず。

けれどそのバランスが崩れると、リーダーシップは揺らぎ、チーム全体にも影響を及ぼしてしまいます。

“上司だから我慢”は間違い、今できることは?

もしあなたが、特定の部下との関わりで、

「無視される」
「反抗される」
「人格を否定するような言葉をかけられる」


など、継続的に精神的なストレスを感じているのなら、それはパワハラに該当する可能性があります。

「自分が悪いのかも」と思っても、一人で抱えないでください。

まずは、記録を残すこと。

いつ、どんな言動があったのかを客観的にメモしておくことで、相談時の助けになります。


次に、信頼できる人事や上司に相談しましょう。

組織の風土によっては難しさもあるかもしれませんが、あなた自身の健全な状態がチームの土台になります。

上司も、パワハラの被害者になり得ます。

もし、あなたがそのような事例の渦中にいるなら、組織の健全性を保つためにも勇気を出して声をあげてほしいと思います。

心理的安全性のある組織をつくるためには、パワハラ問題について全体で認識し、解決・支援のしくみを整えていくことが大切だからです。