企業理念、浸透していますか?動画活用で変える社内コミュニケーションの新手法

中小企業の経営者の皆さま、企業理念は社員に浸透していますか?
ただ壁に貼るだけでは、理念が社員の心に届くことはありません。
しかし、理念が浸透しない背景には、もっと根深い課題があることも多いのです。
実際にある企業では、
「現場からは本社が何を考えているのかわからない」
「社長の考えや目標が伝わってこない」
といった声が挙がり、本社と現場の関係性がギスギスしている状況が続いていました。
これでは、理念浸透どころではありません。

そんな中、「理念を伝え社員の士気を高めたい」という社長の思いから始まったのが、動画で社長の想いを発信することでした。
そして、この取り組みを継続することで、理念浸透だけでなく、本社と現場をつなぐ架け橋となる大きな成果を生んだのです。
では、理念を伝え、社員の共感を得るための取り組みはどのように進められたのか?
どんな工夫が成功のカギとなったのか?
実際の事例をもとに、その秘訣をお伝えします!

動画発信の第一歩:社長のメッセージの取り組み開始
ある企業の本社社員は、現場からの声に悩みを抱えていました。
「本社や社長が何を考えているのかわからない・・」
「社員同士の連携がうまくいかない・・」
そして、ギスギス感により離職者が増える深刻な状況に陥っていました。
この現状を受け、社長は「自分の声で直接伝えることが必要だ」と気づき、動画を活用してメッセージを発信する取り組みをスタート。
内容は、企業理念や経営方針への思い、社員への感謝や期待を込めたものでした。

特にコロナ禍で直接会話をする機会が減った状況では、動画という形式は社員にとって新鮮で画期的でした。
当初、社員からは「トップの考えがよく分かる」と好意的に受け止められ、視聴率も高く、社内で話題になるほど。
しかし、発信を続ける中で、ある課題が浮き彫りになりました。
それは、同じ形式の発信が次第に「また同じ話か」と感じられるようになり、社員の関心が薄れてしまったことです。

社長メッセージの工夫:対談形式で、理念を“身近”に
動画発信を続ける中で、社員から次第に「一方的なメッセージだけでは飽きてしまう」という声が上がるようになりました。
そんな中、社長は動画の形式を見直し、店長やマネージャー、さらには現場で活躍する社員との“対談形式”を取り入れることにしました。
この工夫が大きな転機となったのです。

対談では、社員が日々の仕事で感じていることや、課題にどう向き合っているかといった“現場の声”を引き出し、社長が共感やアドバイスを加えることで自然な会話が生まれます。
また、仕事以外の趣味や特技など、社長と社員の“人となり”を掘り下げる会話も取り入れ、視聴者である他の社員にも親近感が生まれました。
さらに、社員からの質問を受け付けて答えるコーナーを設けたり、他部門との協力エピソードを紹介することで、社内の一体感も高まるように工夫されました。

こうした形式であれば、どんなテーマであっても必ず最後に企業理念や経営方針に触れることができるため、理念を自然に浸透させることが可能になります。
この小さな工夫が、大きな成果を生み出し始めたのです。

社長メッセージ発信が生んだ理念浸透と社内の変化
対談形式の動画発信を取り入れたことで、社内には次第に変化が生まれました。
まず、動画が単なる「お知らせ」ではなく、社員が「自分ごと」として感じられる内容になったため、視聴率が回復。
さらに、対談で現場の声を拾い上げることにより、社員同士や現場と本社との関係性が改善されました。

特に大きかったのは、理念や経営方針が自然と話題の中に溶け込むことで、社員が「企業理念は自分たちの仕事に関わるものだ」と感じられるようになったことです。
これにより、理念が少しずつ行動や意識に反映され始め、会社全体の一体感も向上しました。
成功のカギは“プロジェクト化”と社員の声
企業理念を浸透させる取り組みを成功させるためのポイントをまとめておきます。
- 取り組みをプロジェクト化する
単発ではなく、継続的な取り組みとして位置付けましょう。 - 社員アンケートで内容を改善する
一定期間ごとに社員の声を聞き、動画の形式や内容をアップデートすることが重要です。 - 理念への言及を毎回欠かさない
どんなテーマでも、必ず企業理念や社長の本音の想いを伝えることが大切です。 - 社員を巻き込んで試行錯誤する
社員の参加を促しながら進めることで、取り組み自体に共感を生み出します。
理念を“行動”に変える第一歩として、この社長メッセージの発信というアプローチを取り入れてみてはいかがでしょうか?

「企業理念から始まる人材育成ループ」でその先を目指しましょう!
企業理念の浸透はゴールではなく、企業の人材育成のスタートでもあります。
このスタートを切ったら、社員育成の仕組みを整える第一歩を踏み出してみてください!
