女性活躍推進が進まない理由その1~社会的背景アンコンシャス・バイアス
女性活躍推進に向けていくつかの施策を試したものの、効果が実感できず取り組み自体が頓挫してはいないでしょうか。
あるいは、推進企画を検討するものの言い表せない壁を感じることはありませんか。
成果を阻む原因が言語化できないことで、女性活躍推進に向けた取り組みが困難になっていることもありえます。
ここでは、女性活躍推進が進まない理由を、日本社会に根付く無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)から考えてみます。
社会的に存在する無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)
女性活躍推進が難しい理由のひとつに、その原因が「無意識の領域」にも関わっているからだといえます。
私たちの無意識の中には、さまざまな価値観が含まれています。
振り返って、思い出してください。
私たちは幼少期から「男らしく」「女らしく」と躾けられてきた記憶があるのではないでしょうか。
「あなたは男の子なんだからすぐに泣かないの」
「女の子は出しゃばらないで大人しくしていなさい」
幼少期からくり返し受けた男女差にもとづく「躾け」は、無意識の中に蓄積していきます。
そして社会人になっても、私たちは自分の無意識の中にある価値観に従った行動や態度をとるものなのです。
男女差における無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)のある社会で大人になった私たちは、社会人になっても次のような強い価値観を持っている可能性があります。
「男性は仕事で弱音を吐くと恥ずかしい」
「女性は補佐的な仕事が向いている」
特に、女性は「前に出ないことが正しい」などの価値観が無意識の内にあることが多いように感じます。
企業の施策として女性活躍推進を試みても、女性社員の中にある無意識の価値観が「活躍」を拒んでいる可能性があるのです。
無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)を乗り越える方法
では、このような無意識の偏見を乗り越えて、女性活躍を推進するより良い方法を考えてみましょう。
まずは、私たちが男女を区別する社会的背景の中で育ってきたことを俯瞰的に理解することです。
無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)に囚われて過ごしていることを、誰もが自覚することが最初の一歩だといえます。
なぜなら、無意識の中にある偏見や価値観は、それを自覚できてこそ変容させることができるからです。
特に、女性社員の多くにみられる無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)に、本人自身が気づくことから変化が生まれるといえます。
女性社員が「自身が発揮している能力」と「自分自身の中にあるアンコンシャスバイアス」のギャップに気づくことができると、一歩前に踏み出す勇気を引き出すことができるかもしれません。
企業内では女性活躍推進を女性社員にだけ働きかけるだけでなく、全社員が無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)のある社会的背景を理解することから、効果のある女性活躍推進が始まるといえるでしょう。