1on1ミーティングが苦手なリーダー必読!部下の成長を促進する8フレームアウトカムの活用法

1on1ミーティングで何を話せばいいのか、いつも悩んでいませんか?

「1on1ミーティングでは、売上目標の進捗しか話題にあがらない・・」

「話があちこちに飛んでしまい、表面的な話題の面談になりがち・・」

1on1ミーティングで使える、具体的な会話の進め方の型が欲しい・・」


1on1ミーティングで本当に大切なのは、部下の隠れたポテンシャルを引き出し、彼らの成長を助けることです。


今回は、NLP(神経言語プログラミング)の技法、「8(エイト)フレームアウトカム」を活用して、部下一人ひとりの真の能力を引き出すための具体的な会話のプロセスをご紹介します。

これは、コーチングでも利用されている、目標達成のための質問フレームワークです。

具体的な結果を明確にし、その達成に向けた行動計画を立てるのに役立ちます。

新しいアプローチで、質的なフィードバックの重要性を再発見し、部下との1on1がもたらす価値を最大限に引き出しましょう。

8フレームアウトカムを使った質問プロセス

効果的な1on1ミーティングを実施するには、部下との対話を深め、自己認識を促進する質問が役に立ちます。

これから紹介するのは、NLP(神経言語プログラミング)に基づく8フレームアウトカムという、8つの質問フレームです。

まずは、各フレームについて、その目的と効果を簡潔に説明したうえで、一般的な質問例をあげます。

質問1:目標(アウトカム)

目標を明確にすることで、部下が何を達成したいのか具体的に理解できます。

「具体的にあなたが達成したいことは何ですか?」

質問2:証明(エビデンス)

達成したらどうなるか、何が見えるか・何が聞こえるか・どう感じるかなど五感で表現させ、目標に対する具体的な成果を考えさせます。
イメージできることは達成できる、イメージできないことは達成できない、ということです。

「その目標を達成したことはどのようにしてわかりますか?」

質問3:状況(コンテキスト)

目標の実現の状況を「いつ、どこで、誰と、誰のために、どうやって」を使って、さらに具体的にすることで、計画の実現可能性が高まります。

「どこで、いつ、誰と一緒にその目標を達成しますか?」

質問4:影響(エコロジー)

目標の達成が自分自身や周囲にどんな良い影響を与えるかを想像させます。

「この目標を達成することで、あなたや周囲にどんな影響がありますか?」

質問5:能力・資源(リソース)

目標達成に向けて既に持っている自らの能力や資源と、必要な追加資源(手助け等)を明らかにします。

「目標を達成するために、どんなリソースが既にありますか?さらに何が必要ですか?」

質問6:制限(リミット)

目標達成を妨げている可能性のある障害を明らかにします。

「何が目標達成の妨げになっていますか?」

質問7:深い意味(メタアウトカム)

目標達成が個人の価値観や大きな目標とどう結びつくかを考えます。

「この目標を達成することは、あなたにとってどんな意味がありますか?」

質問8:行動計画(プランニング)

最初の行動を特定し、実際に目標達成に向けて動き出します。

「最初の一歩として、何から始めますか?」



8つの質問は、部下の目標設定から始まり、自己洞察を促し、具体的な行動に結びつくよう設計されています。

専門的な表現が難しかったかもしれませんので、次の章では、上司と部下の具体的な面談シーンの例をあげたいと思います。

この会話例を通して、具体的なイメージを膨らませてみてください。

8フレームアウトカムの会話例:管理部門のデジタル変革に向けて

上司

今日の1on1で特に聞きたいことがあるんだけど、具体的にあなたが達成したいことは何か教えてくれる?【目標】

部下

はい、実は私たちの事務オペレーションについて話したいんです。
今のアナログな作業方法では、チーム全体の負荷がかなり重くて、残業が減らずモチベーションも下がっています。

上司

それを解決した場合、どんな変化があると思う?
どうやってその成果を感じられるといい?【証明】

部下

例えば、デジタルツールを導入すれば、手作業が減って時間短縮になると思います。
みんな残業せずに帰れて、もっと大切な仕事に集中できるようになって、チームの雰囲気が明るくなると思います。

上司

その目標を達成するためには、いつ、誰が、どう関わるといいのかな?【状況】

部下

できれば次の四半期から始めたいです。
私たちのオフィスで、まずは会計ソフトウェアから始めてみて、できればIT部門の人たちに協力してもらえると助かります。

上司

それを実現することで、あなたやチーム、会社にどんな影響があると考えられるかな?【影響】

部下

作業効率が向上することで全員の仕事の質が高まり、結果的に会社の運営コストも削減できると思います。そして、私たちの部門が他のプロジェクトにもっと貢献できるようになります。

上司

あなたがすでに持っているリソースは何かあるかな?
そして目標を達成するために何が必要かな?【能力・資源】

部下

私は基本的なPCスキルと初歩的なソフトウェアが扱えます。でも、新しいツールの導入にはトレーニングが必要です。また、自社に合ったソフトウェアの選定と導入サポートが必要です。

上司

今、この目標に向けて何が障害となっている?【制限】

部下

予算の承認と、全員が新しいシステムに精通するための時間の確保ですね。

上司

この目標を実現することは、あなたにとってどんな意味がある?【深い意味】

部下

このプロジェクトが実現して達成できたら、私のいる部門の仕事の効率化だけでなく、私のキャリアの成長にも繋がると感じています。

上司

それでは、具体的に最初のステップは何にしようか?【行動計画】

部下

まずは、次の会議で具体的に提案をしたいです。そして、デジタルツールのリサーチにチームで取り組みたいと思います。

まとめ

冒頭でも述べた通り、8フレームアウトカムは、コーチングにおいても有効な質問プロセスとして利用されています。

コーチングを体系的に学んでいない人でも、8フレームアウトカムのプロセスを意識して面談を進めることで、部下の成長を促す対話ができる可能性が高まります。

是非、この新しいメンバー育成のアプローチを試し、部下との関係を深めるとともに、彼ら・彼女らの成長を実感してください。