ベテラン講師必見!新入社員研修で陥りがちなジェンダーバイアスと“常識のアップデート”のすすめ
50代以降のビジネスマンが培ってきた「常識」が、いつの間にか時代遅れになっているとしたらどうでしょう?
特に、新人研修や人材育成の場では、無意識に反映されるジェンダー観や価値観が、若手社員に違和感や戸惑いを与えてしまうことがあります。
長年の経験を重ねた今だからこそ必要な「常識のアップデート」。
具体的な失敗エピソードを紹介しながら、柔軟な思考を育むヒントを探っていきます。
ベテラン講師が陥りがちな「昭和の常識」—新入社員研修でのジェンダーバイアス事例
このエピソードは、コロナ禍以降に行われた新入社員研修の実話です。
ある企業で、新入社員研修を担当したのは60歳前半のベテラン女性講師でした。
豊富な研修経験があったため、依頼側の企業は安心して任せていたのですが、研修中に予期せぬ問題が発生しました。
20代の男女の新入社員が一緒に参加している中で、女性講師は「お茶出しは女性が行うもの」として、急須でお茶を淹れて来客に出す方法を指導し始めました。
講師にとっては当然の「常識」でしたが、若い世代には違和感を覚える内容でした。
特に女性社員の中には「なぜ女性だけがお茶出しをするのか?」と疑問を持つ人もおり、ジェンダー観のギャップが浮き彫りとなりました。
企業の研修担当者も途中で気づいたものの、講師の手前中断できず、次回以降の研修内容と研修講師の見直しを決めました。
ベテラン講師であっても、自身の「当たり前」を再考し、時代に合わせた常識のアップデートが必要であることを物語っています。
なぜベテラン講師は自分の常識を見直すのが難しいのか
ベテラン講師ほど、自身の「常識」を見直すのが難しくなります。
その理由の一つは、長年積み重ねた成功体験や、自分なりに確立した指導スタイルが「自信」や「誇り」として根付いているからです。
その結果、これまでのやり方が常に正しいと思い込み、変化に対する柔軟さが薄れがちです。
また、世代間の価値観の違いがわかっていても、長いキャリアがあるほど「若い世代の視点に寄り添うこと」を新たに学ぶ必要性を感じにくくなる傾向もあります。
さらに、「無意識のバイアス」が影響している場合も少なくありません。
過去の経験に基づく固定観念が無意識のうちに表れ、新しい視点を受け入れるハードルとなります。
こうした要因が、ベテラン講師が「昭和の常識」を手放しにくい理由となり、結果的に次世代への影響も変わらないまま続いてしまうのです。
どうやって“常識のアンインストール”を進めるか—柔軟に学び直すための3つのステップ
自分の常識を見直すには、具体的な「気づき」の場を増やすことが大切です。
50代以降のベテラン講師が日常の中で常識のアップデートを進めるために有効な3つの方法を紹介します。
1. 異世代の意見を積極的に聞く
家庭に20代の子どもがいるなら、日常の会話から世代間の価値観の違いを感じ取る絶好の機会です。
特に子どもの意見に耳を傾け、仕事観やジェンダー観についても質問してみることで、自然と新しい視点を得ることができます。
また、職場で若手社員には積極的に話しかけ、相手の価値観を知る機会を持つことも効果的です。
2. 若い世代が集まるセミナーや勉強会に参加する
勉強会というと、つい同世代が集まるセミナーなどを選んでいませんか?
同世代向けの勉強会だけでなく、若い世代が多く参加する業界セミナーやワークショップに足を運び、彼らが何に関心を持っているかを肌で感じることも一つの手です。
自分から積極的に交流することで、新しい考え方や価値観を理解しやすくなります。
3. 書籍やネットを活用して最新の常識を知る
ジェンダーに関する書籍や、新しい価値観をテーマにしたビジネス書、あるいはSNSやWeb記事などで定期的に情報をキャッチアップするのも効果的です。
SNSでは特に、若い世代がどんなトピックを議論しているかが分かりやすいため、自分が気づかないうちに持っている固定観念に気づくきっかけになるでしょう。
こうした方法で異世代の視点を取り入れることで、時代に合わせた常識のアップデートができ、新しい世代に響く人材育成が進めやすくなります。
まとめ:常識のアップデートが新しい成長を生む
長年の経験を重ねたベテラン講師にとって、培ってきた「常識」を見直すことは簡単ではありません。
しかし、その常識を手放し、新しい価値観を取り入れる勇気こそが、現代に合った人材育成に必要です。
若い世代との対話や最新情報のキャッチアップを通して、自身の考えを柔軟にアップデートしていくことで、さらに成長し、未来を見据えた指導が可能になります。
今までの常識のアンインストール、つまりあなたの常識のアップデートが、今後のチャンスと新しい成長のカギとなります。