どうして、指導がパワハラと言われてしまうのか?ニューロロジカル・レベルが分かれば、もうフィードバックに失敗しない!

管理職の皆さんは、部下への指導やフィードバックがパワハラと受け取られることを恐れていませんか?

今日は、神経言語プログラミング(NLP)のニューロロジカル・レベルの概念を使って、部下に対する上手なフィードバック方法を紹介します。

このアプローチにより、指導がパワハラと誤解されることなく、ポジティブな成果を生むことができます。

ニューロロジカル・レベルを理解して、部下へのフィードバックに自信を持てるようにしましょう!

ニューロロジカル・レベルとは?

ニューロロジカルレベルとは、私たちが世界をどう経験し、どう反応するかを深く理解するための枠組みです。

これは神経言語プログラミング(NLP)の重要な概念の一つでもあります。

ニューロロジカル・レベルは、私たちの行動や思考パターンを、環境、行動、能力、信念・価値観、アイデンティティ、そしてスピリチュアリティという6つの異なるレベルで捉えます。

NLP/ニューロロジカル・レベルの解説図


ビジネスマネジメントにおいて、このフレームワークを理解することは、部下のモチベーションや成長を促進する上で非常に有効です。

指導がパワハラと言われてしまう原因

どうして、指導がパワハラと言われてしまうのかを、ニューロロジカル・レベルを用いて考えてみましょう。

よくある事例をあげると、環境や行動レベルの問題を、個人の能力やアイデンティティの問題にすり替えて指導している場面があります。

具体例をあげてみます。
ニューロロジカル・レベルの、どのレベルでフィードバックをしているのか感じてみてください。

①「お客様が来ているのにお茶も出してないのか、君はダメだね。」

②「お客様が来店されたら、お茶を出してくださいね。」

仕事に未熟な部下への指導では、②のセリフのように「行動レベル」のフィードバックが必要なことが多いはずです。

しかし、①のセリフは、個人の資質が足らないと「能力レベル」でフィードバックをしていると言えます。


行動レベルの指導を、能力や価値観、アイデンティティの問題としてフィードバックすることで、部下はストレスを感じ、それが継続するとパワハラと受けとめられてしまうことがあります。

個人のアイデンティティや信念・価値観に否定的な影響を与えるような指導は、受け取る側にとっては「自己の存在否定」と感じることにもなりえます。


「少し厳しく指導すると、退職してしまう・・」

とため息交じりで、マネジメントに悩んでいる管理職の方は、部下へのフィードバックを行う場面で、ニューロロジカル・レベルのどのレベルを扱っているのか、それは適切なレベルであるか、を今一度見直してみましょう。

ニューロロジカル・レベルを意識したフィードバック

ニューロロジカル・レベルを意識したフィードバックは、部下の成長を促し、パワハラと受け取られることなく指導するための鍵です。

以下に、ニューロロジカル・レベルに合ったフィードバック例をあげます。


環境レベルでのフィードバック:
「ここでは(Where)、このような時(When)このような行動が期待されます」と具体的な状況を指摘し、部下が行動を調整できるように支援します。

行動レベルでのフィードバック:
特定の行動に焦点を当て、「この行動はこの結果を生みました」と結果に基づいてフィードバックを行います。

能力レベルでのフィードバック:
部下の能力やスキルを認識し、「あなたはこれが得意ですね」と肯定的な側面を強調します。

信念・価値観レベルでのサポート:
部下の価値観や信念を尊重し、「あなたの取り組み方はチームにとって大きな価値があります」とその貢献を認めます。

アイデンティティレベルでのエンパワメント:
部下の自己認識を高め、「あなたは重要なチームメンバーです」と彼らの役割の重要性を認識してもらうことが大切です。

このようなフィードバックは、部下が自分自身とその行動をポジティブな視点で見直すきっかけとなります。

さらに、彼らが自己実現へと向かうためのサポートを提供することができます。

スピリチュアリティレベルでのつながり

神経言語プログラミング(NLP)のニューロロジカル・レベルは、スピリチュアルレベルとのつながりも大切にします。

ビジネスの場面では、部下が自分自身を仕事や組織、社会の目的とどのように関連づけているかを理解し、この大きなビジョンに貢献する自分の役割を見通すことを可能にします。

「あなたの仕事は私たちが目指す大きな目標にどう貢献しているのか、見てください」

という形で、彼らの仕事が持つ意義を確認してもらうことで、モチベーションと組織への帰属感を高めることができます。

まとめ

ニューロロジカルレベルの理解は、管理職が部下に対して適切なフィードバックを提供し、パワハラのリスクを避けるための重要な鍵となります。

部下へのフィードバックを行う場面では、ニューロロジカルレベルのどのレベルを扱っているのか、それは適切なレベルであるか、を意識して考えてみましょう。

部下へのフィードバックは単なる指導や評価を超え、彼らのポテンシャルを引き出し、組織全体の成功へと繋がる重要なプロセスです。

ニューロロジカルレベルを理解し、それを意識した指導を行うことで、より効果的でポジティブな結果を生み出すフィードバックを実現できると言えます。