リファラル採用(社員紹介採用)の成功は、報奨金額の値上げより社員が行動できる環境づくりが鍵!

リファラル採用は、信頼できる人材を効率的に採用し、定着率を高める効果的な手法として注目されています。
しかし、報奨金額を上げても社員からの紹介が増えないケースも少なくありません。
その原因に、社員が自信を持って知り合いに声をかけられる「環境」が整っていない、ということはありませんか?
本記事では、実体験をもとに、リファラル採用を成功に導くための具体的な方法と、環境づくりの重要性について解説します。
リファラル採用がうまくいかない理由
リファラル採用(社員紹介による採用)は多くのメリットがありますが、実際に導入しても期待した成果が出ない企業も少なくありません。
なぜでしょうか?
その理由のひとつに、社員が紹介しやすい「環境」が整備されていないことが挙げられます。
例えば、候補者に情報を伝えるための採用ページやパンフレットが古い、などです。
会社の魅力を十分に伝えるツールがない場合、候補者自身も興味を持ちづらくなります。

もう一つの課題は、社員が「責任を負いたくない」と感じてしまうことです。
「紹介した人がうまくいかなかったらどうしよう」といった心理的なハードルが原因で、積極的に動けないケースも多いのです。
リファラル採用は、社員の協力を前提とする採用手法です。
そのため、社員が安心して候補者を紹介できる仕組みや、候補者に会社の魅力を伝えるための情報基盤が整備されていなければ、成功は難しいのです。

具体例:環境整備で変わる成果
リファラル採用について、あるクライアント企業での具体例をご紹介します。
問題の発見!
あるクライアント企業では、リファラル採用を活性化させるために報奨金額を引き上げる施策を行いましたが、社員からの紹介がほとんどない状況が続いていました。
その理由を調査したところ、いくつかの課題が明らかになりました。
まず、会社の採用ページには、いわゆる採用情報のみが記載されているだけでした。
充実した福利厚生の魅力や、働く社員の声や表情など、候補者にPRできるはずの内容がまったく表現されていないことがわかりました。
また、社員が知り合いに会社を紹介する際に活用できるパンフレットやチラシといった資料も用意されていませんでした。
このような状況では、社員が「この会社をぜひ知り合いに紹介したい」と感じても、具体的に何をどう伝えればいいか分からないため、声をかけるハードルが非常に高くなっていたのです。

こうして解決!
課題を受け、以下の解決策を試みました。
1つ目は、社員が候補者に会社の魅力を簡潔に伝えられるように、分かりやすくデザインされたチラシを準備しました。
このチラシには、会社の強みや雰囲気が伝わるキャッチコピー、社員の声などを盛り込みました。
2つ目は、採用LP(ランディングページ)の刷新です。
特に若手の候補者へ訴求するために、会社のビジョンやカルチャーが伝わるよう、写真や動画を効果的に活用しました。
これにより、候補者が会社のことを深く理解し、興味をもってもらえるようにしました。

さらに、このチラシと採用LPを活用して、社員が紹介をしやすい声掛けの研修も実施しました。
結果!
これらの施策を講じた結果、リファラル採用の動きが明らかに活性化しました。
採用候補者だけでなく、会社のサービスを利用した顧客にも声掛けをしてリファラル活動に取り組むようになりました。

この事例を通して、「報奨金」や「社員のやる気」だけに依存するのではなく、候補者や紹介者が行動しやすい環境を整えることが大切であったかを再認識できました。
そしてなによりも、採用担当者の創意工夫と熱意が、他の社員の行動を促す効果があったと感じています。
成功へのまとめ
最後にまとめとして、リファラル採用成功へのポイントを3つにまとめてご紹介します。
社員が動きやすい仕組みづくり
社員がリファラル採用に積極的に参加するためには、紹介のハードルを下げる仕組みが必要です。
分かりやすい採用資料や最新の採用ページを用意することで、社員が候補者に自信を持って会社の魅力を伝えられるようになります。
また、社員が感じる責任のプレッシャーを軽減するために、失敗を恐れず紹介できる文化を作ることも重要です。

会社の魅力を伝える情報発信
候補者が興味を持つかどうかは、会社の魅力が適切に伝わるかにかかっています。
自社の強みは当たり前になっていて、中にいる社員が的確に表現するのは意外と難しいものです。
第三者からの視点や評価を利用して、自社の強みを表現しなおすこともたいへん効果があります。

そして、候補者に最初に触れる情報源(会社案内・チラシ・採用ページ)を見なおしてみましょう。
会社の経営理念やビジョンを伝えるだけでなく、具体的な働き方やキャリアパスのイメージを伝える内容があるとよいですね。
社員の協力を得る文化づくり
リファラル採用は社員の協力なしでは成り立ちません。
そのため、紹介者を称える仕組みを導入しましょう。
金銭的な報酬だけでなく、感謝の意を込めた表彰や特別休暇など、非金銭的な報酬も効果的です。
また、成功事例を共有し、社員全体が「自分も紹介したい」と思えるようなモチベーションを高めることも欠かせません。

リファラル採用は、単なる採用手法ではなく、会社全体の文化や環境を見直す機会でもあります。
グローリソースが提供するサポート
弊社では、人材育成ループの一部として、採用活動を支援する具体的なサービスを行っています。
・客観的な視点からみた企業の強みの洗い出し
・リファラル採用に必要なツールの制作(採用ページのリニューアル助言や動画・チラシ作り)
採用と育成を一体化したアプローチで、企業の魅力を最大限に引き出し、人材の獲得と定着をサポートします。
ぜひお気軽にご相談ください。